日韓交流企画展

“感覚の起源”2017. 6. 16 − 6. 29

2017. 6. 16 – 6. 29

日韓交流企画展

“感覚の起源”

About

感覚の還元 ソンブナム、イスンヒ、パクヨンハクの関係は非常に特別だ。 彼らは韓国の清州(チョンジュ)という小さな都市で生まれ、お互いに異なるMediaとMassを扱うことにもかかわらず、長い間、同じ時期と場所で一緒に活動して来た。そのため、彼らはお互いに友人でありながら同僚であり、師匠として存在する。もちろん、同じ状況の多くの作家たちがいるにも関わらず、敢えてかれら三人を一堂に集めたのは、それなりの理由がある。現代の多くのアーティストが作品に向き合う時に対象を分析し、自分が設定した概念の妥当性を証明する演繹的、帰納的方式の姿勢を取っているが、彼らはそのような方式を取らないのがその理由である。彼らは、人生の過程で変化していくお互いを発見し、そこで自分の立場を取る。 そのため相手の変化によって、自分にどのような予測不可能な結果が生まれるかを考察する人生の過程としてのアプローチの仕方を取っている。 彼らにとって人生のすべての経験は、物と空間、時間と感覚の組まれたことで複雑に織りなされている。彼らにとって対象は、理性的思考を通じて作品の構成要素として認識するオブジェではなく、作家の感覚によって知覚される「物」である。 この時の感覚は神経系統の刺激-反応関係でもなく、従来数人の思想家たちが話すある純粋な次元での単一の「超」感覚でもない。彼らが持っている感覚は雑感と言える。 雑感とは「雜」という文字が象徴するように、対象、外部、自分とお互いの関係性などが総体的に混在された感覚であり、意識を通じて受け入れられるすべてのものを美的知覚に還元させ, 発現することを意味する。一例として、このような意識構造については、反芻動物が一度食べたものを反芻するため、吐き出した際、従来の食べたものと同じものでありながら、同じものではない非同一性のものになる反芻の過程で説明できる。つまり、各人の経験がお互いに影響を与えて雑感になり、その雑感は再びお互いに影響を与え、時と場所、そして対象、相手によって常に新しい感覚が形成される反芻の時間性の中での彼らの美的知覚が成り立っているのだ。反芻の時間性と雑感に妙に絡み合っている彼らの作品はたとえ観念から始まって展開されたとしても感覚と外部、そして「時」の不規則な相互作用を通じて、既に作られたもの(観念)から分離されていくことであると言える。したがって、彼らの作品は対象、外部、感覚、時間が不可視的に浸透、融合、衝突する反芻の過程で発現される現成物という共通の特徴を持っている。

展示企画、 金基永 / キムキヨン

 この度 ozasakyotoでは、キム・キヨン氏をゲストキュレーター/コーディネーターに迎えて、清州を拠点に活躍する韓国のアーティスト「ソンブナム氏、イスンヒ氏、パクヨンハク氏」による日韓交流企画展「感覚の還元」を開催いたします。 キヨン氏とは、彼が京都市立芸術大学の博士課程を修了し、シェアスタジオASK(Atelier Share Kyoto)を制作の拠点に構えた頃に知り合いました。 当時のASKには、20代~40代のアーティスト20名ほどが京友禅染の工場跡を共 同のシェアスタジオとして使用していたと記憶しています。いつの頃だったか記憶は定かではありませんが、ASK でのキヨン氏との何気ない会話の中に、日韓の交流展の話が自然に出てきました。 その後、キヨン氏は京都での初 個展を控える中で、釜山ビエンナーレの展示チーフという大役が舞い込み多忙を極めた為、間も無くASKを離れる ことになったのです。すっかり、日韓の交流展の話は影を潜めたように思っていましたが、昨年の釜山ビエンナー レに招かれたのを機会に、何気ない会話がそこから大きな実を結び、此度の展覧会を開催する運びに至りました。 この度、キヨン氏の地元である清州から『ソン・ブナム氏、イ・スンヒ氏、パク・ヨンハク氏」を京都にお迎えで きることは大変嬉しく、展覧会開催にご尽力いただいた皆様には感謝申し上げます。 またこれを機会に日韓の交流 の場が広がることを切に願っております。

残暑厳しい初秋ではございますが、AOO と二条城、神奈川県立近代美術館葉山館での展示を併せてご高覧賜りますよう、皆さまのお越しを心よりお待ち申し上げております。

 

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名 称  日韓交流企画展「感覚の還元」
会 期  2017年6月16日 (金)  −  2017年6月29日  (火)

時 間  火曜日  −  土曜日 11:00  −  18:00 日月祝休み

会 場  ART OFFICE OZASA  京都市上京区竪門前町414 西陣産業会館207(西陣織会館西館)

 

<参加アーティスト>

李承熙 / イ・スンヒ

朴榮鶴 / パク・ヨンハク

孫富男 / ソン・ブナム

 

<オープニング>

2017 年 6 月 16 日 (金) 17:00-

 

<企 画>

金基永 / キムキヨン

 

<問合わせ>

株式会社ART OFFICE OZASA

〒602-8216 京都市上京区竪門前町414 西陣産業会館207

075-417-4041  / mail@artozasa.com  /  www.artozasa.com